蚊が不快
なんだか気持ちが上向いているので、蚊について苦言を呈したい。
何故蚊などというものがこの世に生み出されたのだろうか。あんなに疎ましいものは他にない。
あの憎たらしい蚊とかいうやつばらは、この爽やかな日曜の寛ぎと癒しの中で豊かに醸成されつつあった私の芳醇なるパーソナルスペースに無遠慮にブンブンと耳障りな音を立ててそこら中から飛来し、私の血を吸った。吸いまくった。命がけで、種の存亡をかけて、本能の赴くままに吸いまくった。
もし吸血時に私の血中アルコール濃度が高かったならば、蚊の野郎(吸うのはメスだけだが)もしかして急性アルコール中毒を起こして即死するのではないかと期待するものだが、私は断酒を始めたばかりであるからして、上質ではないながら私の血液は彼らにとっては4.6リットル入りの安焼酎のようなものなのかもしれぬ。それなりに栄養もあるのだろう。吸ってくるのだから。
だいたい、他人の血を吸っておいて礼の一つも言うならばまだ可愛げがあるというものだが、奴らは痒みと腫れまで残してゆき、さらには私の血液でもって繁殖までしやがるのだ。その繁殖した子孫は再び私の血液を狙うのだ。生きている限り末代まで吸ってくるのだ。
しかし一方で蚊の幼虫であるボウフラは水中生物たちの貴重な餌でもあり、その膨大な数でもって生態系を支えている面もある。
そう考えるとなんだか己が大自然の一部になった感が湧いてきて幾ばくかは気持ちが救われもするが、この足元に残った痒みだけはやはり許せぬ。
私は蚊に滅べとは言わぬ。しかしあの耳障りな飛行音と不快な戦闘的なフォルムを止め、なんかこうピンクのふわふわした感じになって血を吸われた後は乙女も男子もお肌しっとり、快適かつ豊かな週末を過ごすことができるような生物に変貌してほしい。
たとえば、飛行型ドクターフィッシュみたいなのが望ましい。カービィみたいな形ならもっといい。潰しがいがある。
なんか気が済んだのでこれで終わり。大丈夫、私は正常だ。