鬱(うつ)病・アルコール依存症・日々のつぶやき

2014年、うつ病・アルコール依存症デビュー。うつの波にぐっと耐えつつ、前向きな日々を送っています。読んで楽しい気持ちになってもらえたらうれしいです。

自転車で富士山を登ってきました。

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わたしはこの数年来、ロードバイクを趣味にしている。

うつ病やら自律神経失調やら肝機能障害やら痛風やらといったものを患う以前からこの趣味は始まり、今も続いている。とはいっても、頻度は月に一度にも満たないのだから、趣味といっていいのかといえば、微妙なところだ。

さて、先週のことになるけれど、表題の通り仲間に誘われて富士山に行ってきた。ロードバイクに乗って、「富士すばるライン」(約24キロ)をえっちらおっちらと登る、いわゆるヒルクライムというものだ。ただ坂を延々と登るだけ。とても地味で過酷な競技だけれど、肉体と向き合い、己の心と語り合いながらゴールまでたどり着いたときの達成感は格別だ。それと、道中の精神的な静寂感がたまらないのである。(ただし、体の方は目一杯で死にそうになります)

半月前に突然失神して救急車で搬送されたわたしが、ろくに回復もしないまま富士を登るのはおそらく体に良くないことだろう。けれど、ゴールまで走り切れたら何かが変わるような気がして、行くことにした。富士の雄大な景色の中で足掻いて、仲間とともにゴールまで走って、この停滞した気分を変えたい。そんな思いで出掛けた。

この1年の寝たきり暮らしですっかり身体が衰えてしまい、長年サッカーで鍛えた下半身は別人のようにしょぼしょぼ。お尻も太もももすっかりスリムになってしまった。比例してパワーも出なくなり、自転車を漕ぐ力も弱まった。それでも、面白いものでそれなりの乗り方というものがあり、試行錯誤し工夫しながら諦めずに漕ぎ続ければ必ずゴールできる。なにしろゴールまで道は必ず続いているのだから。単純なことだけれど、確実で、とても励みになる。

以前は足をつくことなくゴールである5合目まで一気に行けたけれども、今回は何度も足をついて休んだ。途中、3合目あたりから目眩がひどくなり、車道側に落車もした。観光バスの前に投げ出されたけれど、バスはうまく避けてくれた。再び起き上がり、意識朦朧としながらよろよろと登り続け、「必ずゴールしよう」と心に決めてペダルを回した。

すでに登りを終えた自転車乗りたちが下りがてら声をかけてくれる。「がんばれー!」「ファイットォー!」返事をする余裕はないけれど、すごく元気が出る。

両脚は肉離れ寸前。必死に誤魔化しながら登る。心拍数もずっと190ほどのまま。苦しい。でも、ペダルを回し続ける。とにかく、足をつこうが休もうが自力で五合目まで行くんだ……その想いだけを胸にひたすら漕ぐ。

まっすぐ走ることもおぼつかなくなった頃、最後の急坂が見えてきた。必死で登って、ゴール。先にゴールしていた仲間から声がかかる。

やった!
ゴールできた!

ああ、来て良かった……と思った。転んでもつまづいても、諦めないで一歩一歩進み続け、ゴールする。この体験はわたしのような弱い人間にとっては黄金のような体験なのだ。

タイムは自己ベストよりはるかに遅かった。でも、達成感は今までで一番かもしれない。誘ってくれた仲間、そしてただただ雄大で懐深い富士山に感謝。

まだ心は鬱に沈むことが多いけれど、その中で前向きな気持ちが湧いてくることが増えてきた。このビッグウェーブに乗ってみせる!!なんて思いながら、今日もわたしは生きている。たくさんの人に支えられて生かされている。

がんばれ自分。

あ、そうそう。
わたしのヒルクライマーとしての実力は、全競技者の下位10%くらい。命がけで全てを振り絞って走ってはいるものの、超遅いのが実情である。悲しい(笑)