うつの水際で踏みとどまる
昨日より今朝まで、陸に打ち上げられたヘドロみたいなひどい状態だったのだけれども、なんとか踏みとどまることができた。突然叩き込まれた真っ暗な精神状態のなかで、前向きな自分をわずかにでも残す(取り戻す?)ことができたのは、パートナーや猫たちのおかげだ。
独り暮らしだったら浮かび上がるのは難しかった。おそらく数日はろくな食事も摂ることなく膝を抱えて過ごしたりしたことだろう。その間にこの前みたく倒れたりしたらどうなってしまうかと考えると、家族のいる今の状況は本当にありがたいと思う。
この感謝の気持ちに対して、わたしは行動で答えたい。きちんと仕事をして稼ぎを得、大切な家族の力になりたいのだ。そして、仕事をする中でかつての日常を、自信とともに取り戻したい。
けれども、上手くできないでいる。外に出れば皆ごく当たり前に働いていて、大勢の人々がいろいろなストレスを抱えて日々頑張っている。わたしはそこまでたどり着けないでいる。情けないけれど、これはれっきとした事実だ。こんなに感謝しているのだから、感謝だけを原動力に踏ん張れないものだろうか……。
わたしは自分のスキルに自信を持っている。そして、同時にまったく自信を持てずにもいる。これまでに磨いてきたスキルや経験は今もここにある。一年あまりのブランクでいくらかは錆びついたはずだけれど、確かにここにある。
とにかく下を向いてうずくまっていても何も変わらないし、仕事も得られないし、お金も入ってはこない。今こんな精神状態ではあるけれど、ちょっとずつでも日々確実に何かを積み重ねていかなくては。
ときどき、わたしは鬱という名前の被り物かなにかを着込んで安心しているだけなのでは……と思う。甘えているだけなのではないかと。
昨年までのわたしをよく知る古い付き合いの友人などは、わたしを指して「鬱とは最も遠い人間」なんていう。いいえ、いま鬱で……なんて言っても多分信じてくれないだろう。ポジティブで活動的、そこそこ自信もあり社交的な、頑張って若作りしている変わり者のおっさん。わたしはそういうキャラだったのだ。
なんとかそいつを表に引っ張り出さなくてはならない。引っ張り出せれば、あの目立ちたがりは簡単には引っ込まないだろうから。
今日は活力の復活を期待して、真っ赤なポロシャツを着て出てきた。これから100円ショップで必要な買い物をして、天気と相談しながらぶらっと気分転換に歩いて、帰宅するつもりだ。
夜はまた麻婆豆腐を作る予定。こないだ作ったばかりなのだけど、材料を買ってしまったのだ。パートナーは楽しみだー!なんて言ってくれる。やさしい人だ。
まだ、大丈夫。