鬱(うつ)病・アルコール依存症・日々のつぶやき

2014年、うつ病・アルコール依存症デビュー。うつの波にぐっと耐えつつ、前向きな日々を送っています。読んで楽しい気持ちになってもらえたらうれしいです。

外食時に料理をパパっと美味しそうに撮影する方法

f:id:restart15515:20150706100523p:plain(質素なたたずまいの朝そば-iPhone撮影)

 

朝、目を覚ましたら、空気がひんやりしていることに気づいた。

寒っ、秋みたいだな……なんて思いながら身体を起こすと、パートナーはもう起きていて机に向かっていた。「おはよう」と声をかけると、はっきりした声で挨拶が返った。今日は起きてすぐに薬を飲んだのでばっちり覚醒していているとのこと。何日か前に過眠症の症状が出て丸2日感眠っていたけれど、このところは比較的調子が良いようだ。

 

起きて10分ほどして、わたしは日本そばを茹で始めた。だって寒いんだもの。体を温めるか、長袖を着るか、とても悩んだ。朝食もまだだったし、わたしは温かいおそばを食べることにした。

 

湯を沸かし、たぶん100円ショップで買ったそば(乾麺)を2人前茹でる一方で、フライパンに丼2杯分の湯を沸かし、そばつゆを入れて味を整える。だしをパラパラっと。冷蔵庫にあったもやし、ちくわ、大葉を入れて少し煮こむ。そばが茹で上がったら一度水で締め、ふたたび湯に戻す。おつゆには溶いた片栗粉で少しだけとろみをつけた。最後に丼にそばを盛りつけ、おたまで具入りのおつゆをドバーッとかけて完成。海苔を載せて、行儀の悪いちくわを整列させた。

 

iPhoneで写真を一枚。パッと見て乱雑に散らばったもやしがノットビューティフル。写真自体の色合いもあんまり美味しそうじゃない。わたしがディレクターなら一瞥してリテイクを出す出来栄えだ。料理の写真を美味そうに撮るのはほんとうに難しい。フードコーディネーターやカメラマンの人たちは大変だなぁ……。

 

わたしも下北沢で新規オープンする創作料理店の全メニューを撮影したことがある。撮影時には「美味しそうに見える」だけではなく、「目を留める」、「注文したくなる」画像を撮影しなくてはならない。こうした場合には、実際食べるにはまだ調理が足りない状態で撮影をすることもごく普通だ。霧吹きやら小道具やらを使ってシズル感を演出したり、普段は火を通す食材を生のまま使ったりもする。場合によっては簡単な着色だってする。

 

撮影し終えた料理はシェフの方がふたたび厨房に持って帰り、きちんと調理して持ってきてくれた。わたしはほんの数時間の間に、お店で提供する全メニューを平らげた。撮影終了後、「満腹すぎる中年」の称号を手にしたわたしは下北沢の駅前でずいぶん長い時間うずくまっていた。翌日、体重は3キロ増えていた。料理はとっても美味しかった。

 

後日、現像からメニュー入稿までお手伝いさせていただいて、お店にも何度か足を運び、そのうち何回かはどうしてもということでご馳走になった。本当に美味しいお店だったのだけれど、場所が悪かったか、お店は残念ながら短い期間で潰れてしまった。メニューやらなんやらを制作したわたしも責任を感じた。

 

マクドナルドのメニュー画像の制作過程を動画で見てみる。

f:id:restart15515:20150706131633j:plain

 

たかがチーズバーガー(すみません)の画像ひとつにものすごい労力が払われている。

 


Behind the scenes at a McDonald's photo shoot ...

 

彼らだって実際に店舗で提供されるチーズバーガーの悲惨極まりない絶望的なビジュアルは知っていることだろう。けれども、彼らが制作しているものはそれとは別物だ。見込み客を購入まで導くための極めて重要なプレゼンテーションを、たった1枚の画像で完遂しなくてはならない。商品の詳細をひと目でわかるようにし、なおかつ美味しそうに。お客さまに「これください」と言わしめるように。お客さまが心に思い描いている「本当に食べたいハンバーガー」を正確に表現するのだ。

まさしくプロの仕事である。

 

だから、レストランなどでメニューを見て「写真と全然違うじゃんwww」なんて言ってはならない。メニュー掲載の画像と、実際に供される料理では目的が違うのです。ファミレスレベルの飲食店において、もし仮にメニューに載っているのがすべて「実際に提供される料理の画像」だったら、こんなに辛いことはない。夢がないからだ。意思決定は「これが食べたい!」ではなく、「あー、これでいいや」になってしまうだろう。

 

外食には夢やワクワク感がなくてはいけない。笑顔がなくてはならない。少なくとも

料理がテーブルに運ばれてくるまでの間は。たとえ何度踏みにじられても。何度裏切られても、わたしたちは夢をあきらめない。あきらめてはならない。そこ(メニュー表)にホスピタリティに満ち溢れた魅力的な料理たちが待っていてくれる限りは。

 

f:id:restart15515:20150706112301j:plain
(現実に負けるな!)

 

料理を美味しそうに撮影するコツ

ブログやTwitter、LINEなど個人で使用する目的でお料理を上手に撮影したい……といっても、一眼レフカメラにレフ板を用意して三脚立てて……なんていうのではなく、友人や家族、恋人との外食のときなどに、出てきた料理を気軽にササッと撮影したい。でもって、できるだけきれいに美味しそうに撮りたい。

 

そんな方は以下のテクニックを参考にすると良いと思う。

 

 

この記事では、以下のテクニックを紹介している。

  1. なるべく明るく、自然光で撮る
  2. 料理に関係のないものは写さない
  3. 料理を中央に置かない
  4. 接写(マクロ撮影)で撮る
  5. 斜め45度のアングルを意識する
  6. シズル感を出す

とりあえずはこれだけ気をつけていれば十分という感じだ。さすがLIGさん。

これはわたしの個人的な考えだけれど、プロではない人が料理の写真を比較的上手に撮るためには、技術よりも意識のほうを変えると良いと思う。

 

  1. 料理のどこに惹かれるか、どこが魅力的に見えるかを確認する
  2. カメラを向ける前に「写真を見た人にどう感じて欲しいか」をイメージする
  3. (お皿も含めた)料理全てをフレーム内に収めることにこだわらない
  4. ときには人間の視点から離れてみる(フォークやナイフの視点で撮ってみるとか、テーブルに乗るくらいの小人になったつもりで料理を見てみたりだとか)

 

今思いつくのはこんなところ。

ともかく意識を変えることができれば、あとは簡単だ。テクニックはネットを始め巷に溢れている。最近はコンデジだってものすごい高性能だ。カメラ内で画像調整までできるものだってある。撮影だってカメラにお任せでそこそこ良い写真が撮れる。わたしのコンデジにもお料理撮影モードがある。

 

 

この記事はちょっとプロ寄り。カテゴリーとしては「商品撮影」になる。そのため「楽しい外食の最中に料理をササッと撮ってSNSなどにUPする」という目的には合わない。けれども、参考になるアドバイスはいくつも含まれている。

 

記念写真を思い出してください。
例えば後ろにお城があり、人が5人ぐらいいる記念写真を撮るとします。たいていはせっかくだから、お城も入れましょう。あら後ろの木も素敵ね。そして人物も入れましょう。となると撮影する人がどんどんと後ろに下がっていき、そこでシャッター!

出来上がりは、人が真ん中にいて、お城も、人も、木もみんな小さく写ってしまい、本当の記念写真になってしまいます。これがまさに日の丸構図の写真なのです。

 

これなんて秀逸。

あれもこれも入れようとすると、本人以外には「あれもこれも写ってるけれど、なんだかわからない写真」になってしまう。

 

 

パン美味しそう……この記事では被写体に対する光の向きについての説明がすてきだ。

 

光の当たり方と明るさも重要なポイントです。料理の場合、光の向きを逆光気味で撮影するとおいしそうに撮れます。順光で撮影すると、素材の形や色ははっきりとしますが、影や光の透過がないので立体感が出にくく、のっぺりとした印象になってしまいます。

 

3つの記事を見てきた。さしあたりこれで十分だと思う。

検索するとまだまだテクニック系の記事はわんさかある。けれども、まずはどんどん撮影することが大切だ。撮影を続けるうち、具体的にああしたい、こうしたい、という欲求が湧いてくるから、それをひとつひとつ潰していけば、知らぬうちに達人になっていることだろう。そしてカメラ沼に落ち、ヨドバシカメラの中判デジタルカメラのコーナーをうろついたりすることになるのだ。わーい仲間!

 

本日のまとめ

お料理を美味しそうに撮りたいという欲求はわたしにも強くある。けれども外食のたびに一眼レフを持ち歩くのは面倒くさいので、外食時も自炊のときも結局はiPhoneで撮影している。そしてとくに加工もしないでそのままUPしてしまう。気にしなければ気にならないものだ。(した方がいいんだけれども)

 

さて、おひとりさまならば良いけれど、誰かと食事するときに絶対に忘れたくないことは、目の前にいる人と美味しく楽しく食事をする、ということ。料理の写真を撮ることはあくまでその次のことだ。熱々の美味しい料理が運ばれてきて、「わぁ!グツグツ言ってる!美味しそう!」なんて盛り上がる中、テーブルに着いている人のひとりが「ちょっと待って!撮らせて!」なんて言ってあらゆる角度から撮りまくっているうちに料理が冷めてしまったりしたら、人によっては二度と同じテーブルには着いてくれないだろう。頑固親父の店なら厨房から出刃包丁が飛んでくるかもしれない。

 

もちろん、その場にいる人すべてがそうなのであれば、この限りではない。でも、作った人は熱いうちに食べて欲しかったな……と落胆しているかもしれない。

 

写真を撮る際、「写真を見た人にどう感じて欲しいか」を考えると良い、と書いた。しかし「今、楽しい時間を共に過ごしている相手に(自分のことを)どう感じて欲しいか」のほうが大切だということも忘れてはいけない。ホスピタリティと感謝の気持ちをもって、今ここにしかない、二度と訪れることのない瞬間を心から楽しもう。

 

もちろん、日ごろからムカついているハゲのスケベセクハラデブ上司から強引に誘われた食事ならば、一眼レフカメラに1200ミリの望遠レンズを装着し、テーブルから50メートルの彼方に頑強な三脚を立てて料理が冷めきるまで撮影しまくればよろしい。スケベセクハラデブ上司にはレフ板を持たせ、「これで反射するものがふたつになりましたね^^」とか言ってやれば……いやそれはさすがに言い過ぎだろう。大人として社会人として、無難にやり過ごそう。

 

 

お昼に食べたおそばは、もやしにそばつゆの旨味が染み込んでいて、とっても美味しかったです。幸せ。