ワコムのペンタブレット「Intuos」で1ランク上のブログ運営やPCライフを楽しもう!
ワコムのペンタブレットって使いやすいんですか?ここ数ヶ月、買おうかどうか迷っているのでペンタブレットの事をブログで取り上げてくれると嬉しいです。
というコメントをいただいたので、ペンタブレット歴20年を超えるわたしが簡単に解説してみようと思います。ネット上にあるさまざまなレビューなどと合わせて参考にしていただけたら幸いです。
ペンタブレットとは
ペンと板状のタブレット本体がセットになっており、タブレットの上でペンを走らせることで、手描き感覚で描画、写真修正、製図、デザインなどを行うことができるツール。一般的に想像される用途はイラスト制作だと思いますが、医療の現場や音楽制作などにも使われています。もちろん、マウスのように使うこともできます。
わたしはもっぱらイラスト制作に使っています。手描き気分でイラストを描くことができるのでとっても楽しいです。アナログと違ってやり直しもききますし、カスタムブラシやアクションなどを使えば、効率的に目的のイラストレーションを完成させることができます。
ビギナーモデルのタブレット
ビギナーモデルとはいえ、性能は十分です。画力さえあれば、これでもプロの仕事をすることが可能です。
ビジネスシーンなら上がってきた文書に手描きで赤入れ(チェック)したりもできます。フリーのイラストやフォントはいくらもありますが、手描きの文字や絵はより多くのものを相手に伝えてくれます。例えば文書の隅っこに赤系の色で「ご苦労さま♥」と手書きするだけで、受け取った相手はなんかほっこりするでしょう。これがMS明朝だったら、チラ見して終わりです。手書きの文字や絵には書き手の何かを相手に伝える特別な力があるんですね。
上級モデルのintuos Pro
本体の左サイドにファンクションキーがあり、キーには任意で機能を割り当てることができます。わたしの場合はphotoshopで制作することが多いので「Ctrl+Alt+z」(アンドゥ)や回転、縮小、スクロールなどを割り当てています。また、ペン本体にもボタンが3つあり、ここも好きな機能を割り当てられます。わたしはサイドキーにアンドゥ、消しゴムを設定しています。ひとつはペンの後ろ側にあり、反転させて使うボタンなので使っていません。効率を考えるとキーボードのショートカットか、タブレット横のキーに設定すると良いでしょう。
タブレット左横にファンクションキーがありますが、これはわたしが右利きだからで、左利きの人はキーを右側にして使うこともできます。右利きの人は右手にペンを持って、左手でファンクションキーやキーボードを操作するので、ファンクションキーは左側、逆ならばファンクションキーは右側になります。
設定は簡単です。「マッピング」>「タブレットの向き」でファンクションキーの位置を指定するだけ。
最上位モデルの液晶タブレット、cintiqシリーズ
ペンタブレット自体が液晶モニタになっていて、紙に直接描くような視点描くことができるタイプです。わたしの知り合いのプロのイラストレーターさんなどは、かなりの確率でcintiqを使っています。多くの絵描きさんが憧れる製品ですが、とっても高価です。わたしも一時期すごく欲しかったですが、「ろくに描けないのにツールばっかりすごくてもな……」と思って諦めました。
通常、タブレットは「モニタを見ながら手元で操作する」ので、慣れるのに少しだけ時間がかかります。モニタ上のカーソルの動きは垂直なのに、手の動きは水平だからです。でも、すぐに慣れます。
デュアルモニタで使用する場合は、「どちらかひとつのモニタ」のみで使用するか、「両方のモニタ」で使用するかも選ぶことができます。とにかく機能がしっかりしていて、実際に使用するところまでストレスなく進むことが可能です。
筆圧感知のすばらしさ
photoshopCCでテストしてみました。
使用するブラシにもよりますが、ペンタブレットを使うと筆圧に応じて線や塗りに強弱を付けることができます。イラスト制作では、この機能によって描く人の個性が作品に落とし込まれます。また均一な線は、手書き文字などにした場合も淡白にならず、温かみのある雰囲気を演出できます。
ちなみに最新のintuos Proでは筆圧感知が2048レベル、わたしの使っているintuos4は1024レベルです。
あるかないかの差
筆圧感知はもちろん、ペンタブがあるのとないのとでは大違いです。
同じ人間が描いても、クオリティがこんなに変わります。
ペンタブレットがない場合(マウス)
ペンタブレットがある場合
極端な例ですみませんw
筆圧感知は対応しているソフトウェアで使うことができます。
◆対応ソフト一覧
どこのメーカーがいいの?
ワコム以外にもプリンストンとか、いくつかのメーカーから出ているようですが、よほどの理由がない限りワコム一択です。あとは存在しないものと思え。
もし予算が少ないなら、現行の一つ前のバージョンでも良いので、ワコム製品を買いましょう。筆圧感知性能が数値上倍ほど違いますが、よほど繊細な作風でもないかぎりイラスト制作にはほとんど影響しません。
どのサイズを選べばいいの?
ペンタブレットには多くのサイズがあります。
どのサイズを選択するかは、使用するモニタのサイズを基準に考えるのが良いと思います。
公式サイトでは、目安として
15インチ以下=スモール
15~24インチ=ミディアム
24インチ以上=ラージ
と紹介しています。
ペイントソフトを使用する際マッピングを最大に設定(表示エリアとタブレット操作エリアを全画面に)してペンタブレットの性能を最大限に引き出してイラスト制作を、それ以外の通常操作ではマッピングを小さめに設定(表示エリアを全画面、タブレット操作エリアを一部領域に制限)して、小さくペンを動かすだけで画面全体にカーソルを動かせるようにする、といった便利な設定もできます。
モニタサイズに対してタブレットのサイズが小さいと、手を動かす範囲が小さく窮屈になります。逆にタブレットばかり大きいと手元と画面のスケール感が合わなくて、描くことに集中できないかもしれません。適正なサイズだと大きなストロークでのびのびと線を引くことができます。イラスト制作において活きた線を引きたいなら、モニタサイズを考慮したサイズ選びはとても大切だと思います。
また、ペンタブレットは場所を取るので、置き場所を考慮したサイズ選びも必要です。予算、使い勝手、場所などを考慮して、自分に合ったサイズを選ぶのが良いでしょう。
ちなみに、タブレットのサイズが小さくてもプロレベルのイラストを制作することは十分に可能です。(むしろプロが要求されるイラストレーションの制作には、使用するパソコンのスペックの方がよほど重要ですw)ビギナーの方は身の丈に合ったモデルで始めることも大切です。結局使わずにお蔵入りすることもありますので……。もしプロや売れっ子の同人作家になれたら、液タブいきましょうw
プロの制作環境をチラ見
プロの制作者ともなると、ファンクションキーだけでなく、さまざまなガジェットを使うなどして作業効率を最大化させています。
◆浜田よしかづさん
液タブでの作業のほか、膨大なショートカットを設定して作業を効率化している様子がわかります。
◆redjuiceさん
左手が細々と動いています。色々なファンクションを使っているみたいですね。
これなんか絵描きの間では結構メジャーなアイテムです。ノブを回すことでブラシサイズを手軽に調整することができます。
ノブのように回り、マウスのようにクリック! でも、それだけじゃないよ! PowerMateはホームムービーの編集から、長い文章やウェブページのスクロールにも使えます。特筆すべきはPowerMateはあらゆるアプリケーションでほとんど全てのものをプログラム可能なコントローラーだということです。あらゆるアプリケーションにたいしてプログラム出来、必要に合わせてカスタマイズ可能です。 特徴 ■コンピュータの音量とオーディオ・アプリケーションをコントロールするユニークなUSBデバイス。
絵を描く以外にも用途がたくさんあるのが良いですね。
ペンタブレットを持つことのデメリット
特に思いつきませんが、強いて言うならば場所を取ることくらいでしょうか。でも、このデメリットを感じるのは、ペンタブレットをまったく使わない置き物になった場合くらいですね。
実際に購入したあとに
使い始めるといろいろストレスも感じると思います。例えば、描いているときのつるつるした感じ。これはタブレットに紙を敷くことで解消できることがあります。紙を敷くと摩擦が増えてペン先の摩耗が早まりますが、最近では摩耗しにくいサードパーティー製のステンレス芯などもあります。
液タブだと液晶を保護するためにシートなどがあり、実際にペン先が接地する面が原画より浮いた感じなることに違和感を覚える人も多いようです。これには表面に貼られたシートをバリバリと剥がして使うという荒っぽい技を使って解消しているプロの方がいました。ワイルド&自己責任。
リスタートのおすすめタブレット
いろいろ見てきました。
おすすめはどのサイズでも対応しやすいミディアムサイズです。
ワコム Intuos Pen & Touch 油彩制作用モデル Mサイズ CTH-680/S2 新品価格 |
ビギナーで予算を抑えたい方はこちらのモデルがお勧めです。ファンクションキーはないですが、性能は十分。
ワコム Intuos Pro プロフェッショナルペンタブレット Mサイズ PTH-651/K1 新品価格 |
ある程度のレベルまで行く自信と覚悟のある方や、予算に余裕のある方はこちらのモデルがお勧めです。わたしが使っているのもこのグレードです。
ワコム 液晶ペンタブレット 13.3フルHD液晶 Cintiq 13HD 【新型番】2015年7月モデル DTK-1301/K0 新品価格 |
ブルジョアやプロを目指す方、予算が潤沢な方は液タブが良いかもしれません。ペン先と描画画面が一致していることには安心感があります。
イラスト制作におすすめのソフトウェア
Adobe Creative Cloud フォトグラフィプラン(Photoshop Lightroom) [2015年度版] 12か月版 [ダウンロードカード] 新品価格 |
Adobe PhotoshopCC。王道ですね。絵を描く以外にも写真修正やデザイン、DTPにも使える業界定番のソフトです。昔は単体で10万したものですが、今は安く使えるようになりました。
Adobe Photoshop Elements 13 Windows/Macintosh版 新品価格 |
上記ソフトウェアの廉価版です。機能制限はありますが、とりあえず絵を描くだけなら良いかもしれません。
新品価格 |
かつてはPhotoshopと並ぶ定番のソフトでしたが、最近は廉価で優れたソフトもたくさんありますので、あまり噂を聞かなくなってきました。アクリルや水彩、油絵、クレヨンに色鉛筆など、膨大な種類の画材を正確に再現するペイントソフトで、非常に魅力的な表現が可能です。
SYSTEMAX Software Development - ペイントツールSAI
も有名ですね。わたしもベータの頃は使っていましたが、すごく良いソフトでした。
「やりたいこと」があるなら買う価値はあります
ペンタブレットがあることで、簡単に手描きイラストや温かみのあるテキストなどを制作することができるようになります。また、クリエイティブ用途以外にも使い道はたくさんありますので、手に入れさえすればPCライフは飛躍的に楽しくなると思います。(使いさえすればですが)
購入する前の重要な注意
これだけははっきり申し上げておきますが、ペンタブレットを購入しただけで絵がうまくなることは決してありません。むしろ自分の実力に愕然とするでしょう。しかし、それを乗り越えて楽しく描くことや目的意識を持って練習することで、どんどん素晴らしい作品を作れるようになります。
わたしは「あのソフトを買ったら絵がうまくなるような気がする」と言っては高いグラフィックソフトを買い、「あのハードを買ったらうまくなるような気がする」と言っては高いガジェットを買ってきましたが、お買い物によって絵がうまくなったことは一度もありませんでした。
当たり前ですよねw
本日のまとめ
「 ペンタブレットを購入しようと思っているけれど、迷っている」方はたくさんいると思います。高価なアイテムなので、躊躇しますよね。そんな方にはまず「ペンタブレットを使って何がしたいのか」をよく考えてみていただきたいです。
例えば手書きのイラストを複合機のスキャナーで取り込み、簡単な彩色をするくらいで良いなら、タブレットはなくても大丈夫です。
安い買い物ではないですから、本当に必要かどうか考えてみましょう。その上で購入したなら、日常に「楽しい!」がひとつ以上増えることは間違いありません。
わたしはペンタブレットを使って20年くらい経ちます。まだ製品名もintuosではなく、デザインも野暮な事務用品でした。以来、ずっと買い続けてきて、今のタブレットは本当に素晴らしいものになったな、とつくづく思います。
❝手書き❞が生み出す個性
絵心がなくても、例えばブログ記事に手書き文字の画像を挿入するだけでも、個性が生まれて他ブログとの差別化ができます。こんな風に。
手書きは書き手の体温や気もちが感じられて良いですよね。
他にも撮影した写真に手書きでセリフを入れたり、家族の画像にいたずら書きして大笑いしたり、楽しみ方はいくらでもあります。
一度触れてみたいという方は、大手家電ショップのデモコーナーなどで使用感を確認してみると良いと思います。気に入ったらそのままお持ち帰りできますし。
(旧デスクトップー今もほぼ同じです。タブレットはカッティングシートの下にちらっと見えます)
以上、東京都小平市よりリスタートがお送りしました。
梅雨明けして夏が来たそうですね。やだー!